急性胃腸炎 / 感染性

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)とは

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)は、細菌やウイルス感染、刺激物の摂取、ストレスなどにより胃や腸の粘膜に炎症が生じる病気です。抗生物質や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用として発症することもあります。症状には嘔吐、腹痛、下痢などがあります。

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の症状

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の症状症状には発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振などがあります。細菌性胃腸炎は一般的にウイルス性胃腸炎よりも重篤な症状を引き起こすと考えられています。ロタウイルスが関与している場合、便は水様性で白色になります。脱水症状を予防するため、お子様やご高齢の方には頻繁に水分補給を促す必要があります。

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の原因

発症の背景には、細菌によるものとウイルスによるものの2つのタイプが存在します。細菌性は腸炎ビブリオやサルモネラ、大腸菌などが代表的で、特に夏場には食中毒の集団発生も多いです。一方、ウイルス性ではロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスといった病原体が関与し、流行は主に冬の時期に見られます。

主な急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の原因・早見表

  病原微生物 感染源 潜伏期 血便 症状 備考
細菌 カンピロバクター 2-10日 ++ 下痢、高熱、腹痛 乳幼児集団発生 ギランバレー
サルモネラ 鶏肉、鶏卵 0.5-2日 下痢、高熱、腹痛 多彩な症状
病原性大腸菌   1-5日 下痢、高熱、腹痛 ベロ毒素→腸管出血性
エルシニア 豚肉、水 3-7日 発熱、腹痛 右下腹部
腸炎ビブリオ 魚介 0.5-1日 下痢、高熱、腹痛、嘔吐 夏、腹痛
黄色ブドウ球菌 弁当、手 0.5日 嘔吐 耐熱性腸管毒素
ウェルシュ菌 スープ類 0.5-1日 下痢、腹痛 再加熱
ノロウィルス カキ、貝 0.5-2日 下痢、腹痛、嘔吐 秋から冬 感染力強い
ウィルス ロタ、アデノウィルス 糞便 3-5日 下痢、腹痛、嘔吐 乳幼児に多い
寄生虫 赤痢アメーバ 性感染 14日 ++ 下痢 渡航歴、肝膿瘍

急性胃腸炎
(感染性胃腸炎)はうつる?

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の主な感染経路は経口感染と考えられています。病原体が口から体内に入り、感染すると症状が現れます。また、食品を介した感染と人から人への接触感染が確認されています。

人からの感染

感染は、感染者が持つ病原体が口から体内に入ることで起こります。感染者が嘔吐や下痢をした場合、嘔吐物や便に病原体が含まれていることがよくあります。
嘔吐物を長時間放置すると病原体が空気中に拡散し、感染リスクが高まります。さらに、嘔吐物に触れた後、汚染された手で口を触ると口から病原体が体内に入り、感染します。また、感染者が手を十分に洗っていない場合、病原体が手に残留するおそれがあります。そのためドアノブや取っ手、食品など、感染者が触れた物には触れないよう注意しましょう。

食品からの感染

十分に加熱されていない食品を摂取すると、食中毒を起こす可能性があります。例えば、生の牡蠣による感染は特に多く、ノロウイルスが含まれていると考えられています。感染性胃腸炎は食品を通じて感染する可能性がありますが、適切な衛生設備の整っていない環境では飲料水からも感染が伝播します。

急性胃腸炎
(感染性胃腸炎)の検査方法

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の検査方法診断は、診察と症状の経過を見ながら進めていきます。集団感染が疑われる場合や、脱水・合併症が出ている場合には、より詳しい検査が必要になります。脱水の程度は血液検査や尿検査で確認できます。血液検査では、血小板数や貧血の有無、腎臓の働きなども調べます。細菌性の急性胃腸炎が疑われる場合は、便を顕微鏡で観察したり、培養して原因菌を特定します。腸管出血性大腸菌(O157)が疑われる場合には、毒素検査を行います。

急性胃腸炎
(感染性胃腸炎)の治療方法

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の治療方法こまめな水分補給を心がけ、脱水症状を予防しましょう。吐き気がある場合は、市販の経口補水液(イオン飲料など)を少量ずつ数回に分けて摂取することがお勧めです。水分を口から摂るのが難しい場合には、点滴による水分補給を行います。
乳酸菌製剤(プロバイオティクス)や整腸剤は腸内環境の回復に効果が期待できます。なお、下剤は効果的とは考えられていません。これは腸内の病原体が体内に残留し、毒素の吸収に繋がるおそれがあるためです。

急性胃腸炎(感染性胃腸炎)で
受診したほうが良いタイミング

以下のいずれかに該当する場合は、
速やかに当院を受診してください。

  • 嘔吐、吐き気、十分な水分摂取が困難な場合
  • 倦怠感、めまい、立ちくらみ、尿量の減少が見られた場合
  • 腹痛が下腹部に移動した、または悪化した場合
  • タール便や血便が見られる場合
  • 発熱がある場合
  • 初診以降に新たな症状が現れた場合