- このような体重減少の症状は
ありませんか? - 体重減少の定義とは?
- 食べても痩せる原因は?
- 食べても痩せる(食べても太らない)のは、何か病気が原因?
- 自分でできる!
日常生活の中での予防方法 - 受診の目安
このような体重減少の症状は
ありませんか?
- 食欲があり、食べているのにもかかわらず、急激に体重が減少した(10代~50代まで、いずれの年代でも該当する症状)
- ダイエットなどで積極的に減量しようとしていないにもかかわらず体重が減る
- 生活習慣に変化がないのに服のウエスト周りが緩くなる
- 短期間で著しい体重減少があった
- 持続的な便秘または下痢
- 持続的な吐き気とみぞおちの張り、不快感
体重減少の定義とは?
医学的には体重減少とは、食事制限などによる意図的な体重管理を行っていないにもかかわらず、過去6~12ヶ月で体重が4~5kg(約5%)減少した状態を指します。さらに、標準体重より20%以上体重が低下した場合は低体重とみなされ、健康上の問題を引き起こす可能性があると考えられています。
食べても痩せる原因は?
食事をしているのに体重が減る原因は、主に2つ考えられます。食物からの栄養吸収の低下と、消費エネルギーの増加です。栄養吸収が低下する原因としては、食事量の減少や食物からの栄養吸収能力の低下があります。消費エネルギーの増加は、運動量の増加に加え、摂取したエネルギーが悪性新生物(がん)などに奪われることで起こります。
ダイエットのための食事量減少
食事量減少の典型的なケースとして「ダイエットによる体重減少」が挙げられます。カロリーを適切に計算し、栄養のバランスを考えた方法であれば健康に大きな影響はありません。しかし、過度な食事制限を行うと、体を維持するために必要な栄養素が不足し、免疫力の低下や体調不良を招くおそれがあります。さらに、心のバランスを崩し、摂食障害(拒食症など)へ繋がってしまうこともあります。
精神的なストレスやイライラ
激しいストレスや過労が続くと、食事が進まなくなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。趣味への関心が薄れたり、気分が落ち込むことで、食事をとることが面倒に感じたり、食べること自体を忘れてしまうケースも見られます。
また、イライラや不安などのストレスが積み重なると、心身のバランスが乱れ、食事をとっていても体重が減ってしまうことがあります。自分では気づかないうちに、心と体が疲れているサインかもしれません。
規則正しい生活を心がけ、毎日の食事は決まった時間に3食しっかり摂るようにしましょう。仕事中はこまめに休憩をとり、一日の終わりには入浴などで心と体をリラックスさせる時間をつくることも大切です。
ストレスや疲労をため込まないよう、ご自身に合ったリフレッシュ方法を取り入れるとともに、つらいと感じたときは心療内科・精神科・カウンセリングなど専門家への相談もご検討ください。
消化器系・内分泌系の病気
ダイエットをしていないのに体重が減り続ける、あるいは明確なストレスがないのに胃腸の不調を伴って体重が落ちていく場合、背景に病気が隠れている可能性があります。
さらに、食欲の低下や発熱、体の痛みなどの症状が伴うこともあります。こうしたサインがあるときは、自己判断せず、お早めに当院へご相談ください。
主な考えられる病気については、以下でも記載しております。
食べても痩せる
(食べても太らない)のは、
何か病気が原因?
いつも通りの食生活なのに痩せてきた、いつもよりも食べているのにやせる、食べてもふとれない方は、もしかすると何らかの病気の可能性があります。以下、考えられる主な病気になります。
- 糖尿病
- 胃・十二指腸潰瘍
- 吸収不良症候群
- 潰瘍性大腸炎・クローン病
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 食道、胃、大腸、膵臓などのがん
- アジソン病
など
生活習慣病でもある「糖尿病」かも
食事から摂った糖質は体内で消化・吸収されるとブドウ糖に変換され、ブドウ糖になった後、血液中を運ばれて全身の細胞に届けられ、生命維持機能のエネルギー源となります。余ったブドウ糖は「グリコーゲン」に変換され、肝臓や筋肉に蓄えられます。この仕組みは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが司っています。
ところが、膵臓の働きが弱まってインスリンを作れなくなった場合、あるいはインスリンがうまく働かなくなった場合には、ブドウ糖が血液中に溢れ出し(高血糖)、細胞はエネルギーとしてブドウ糖を利用できなくなります。その結果、体は代わりにタンパク質や脂肪を分解して使おうとするため、体重の減少に繋がってしまいます。
便の様子に異変を感じる方は「吸収不良症候群」かも
体に必要な栄養素は主に小腸で吸収されます。このプロセスは、胃で食物が分解され、十二指腸で膵臓と胆嚢からの消化酵素が加わり、栄養素が吸収されることで始まります。このプロセスのいずれかで障害が生じると、体は食物から栄養素を吸収できなくなったり、吸収が不十分になったりして、体重減少に繋がるのです。このような場合、消化器内の病気が原因である可能性が高いです。吸収不良症候群は、吸収されなかった脂肪が油っぽい便として水面に浮く、慢性的な下痢、全身のむくみなどを引き起こすことがあります。
胃がムカムカする等の症状は「慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍」かも
胃や十二指腸に炎症が生じ、胃粘膜を損傷するびらんや潰瘍が発生すると、胃痛、吐き気、嘔吐、胸やけ、消化不良など様々な不快症状が現れます。これらの症状により食事量が減少し、体重減少に繋がります。
最も一般的な原因はピロリ菌感染で、次いで非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド薬の副作用が挙げられます。
若い世代で増えている「潰瘍性大腸炎・クローン病」かも
潰瘍性大腸炎は原因不明の炎症が大腸粘膜に発生し、びらんや潰瘍を引き起こす病気です。炎症は直腸から始まり、奥へと連続的に波及していきます。症状には激しい下痢や腹痛があり、時に血便や発熱を伴い、やがて体重減少に繋がります。原因が未解明なため根治療法はなく、難病に指定されています。クローン病も自己免疫が関与する病気です。炎症は口から肛門に至るどこにでも発生し、栄養吸収障害を伴う重症化傾向が一般的です。
気づかない間に進行している「がん」かも
消化管や消化器のがんは、初期段階ではほとんど自覚症状がなく、ある程度進行してから初めて病気が明らかになる傾向があります。消化管のがんが大きくなると、消化管の内腔が狭くなり、食物の通過が困難になることがあります。また、膵臓、胆管、肝臓のがんは、痛みや吐き気などの症状を引き起こし、食欲減退や体重減少に繋がる場合があります。体重減少は、がん細胞による栄養の消費や、全身の衰弱状態「悪液質」によっても生じることがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)かも
甲状腺ホルモンは喉仏の位置にある蝶形をした甲状腺から分泌されます。これらのホルモンは体の「新陳代謝」を司っています。心拍数、体温、自律神経系の機能を調節し、エネルギー消費量を一定に保つ役割を担っています。
甲状腺機能亢進症やバセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰になった際に発症します。代謝が亢進し、旺盛な食欲にもかかわらず体重減少が生じます。重症例では、ほてりや過度の発汗、動悸、手や指の細かい震えなどの症状が現れます。診断は血液検査によって行われます。
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)かも
副腎皮質はカリウム・ナトリウムバランス調節ホルモンなど複数の重要ホルモンを分泌します。この機能が低下すると、疲労感・食欲不振・体重減少を引き起こします。若年女性に見られる病気です。
自分でできる!
日常生活の中での予防方法
病気による体重減少ではない場合には、ご自身で改善できる可能性があります。
ストレスの発散
体重減少を防ぐには、自律神経系を乱さない生活リズムの維持が重要です。そのためには、ストレスの蓄積を予防する必要があります。悩みを抱え込まない、仕事を頑張りすぎないなどを心がけ、困った時は誰かに相談したり、ご自分なりの気分転換法を取り入れましょう。また、質の高い睡眠を目指しましょう。就寝前に温かいお風呂でリラックスしたり、軽いストレッチをしたりすると効果的です。
極端なダイエット・偏食はやめてバランスよく摂取を
無理なダイエットや極端な偏食は、体重減少を予防する上では大きな弊害となります。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取できる食事を心がけましょう。
受診の目安
生活環境の変化や季節の変わり目、ダイエットなどによる体重の増減は誰にでも起こります。「受診すべきかどうか」の基準が曖昧だと、病気の発見が遅れる原因になります。
受診の目安としては、以下のいずれかに該当する場合には何らかの病気が潜んでいる可能性があることをご確認ください。
※意図的にダイエットをしていない場合を想定しています。
- 1ヶ月で2kg以上の体重減少
- 6~12ヶ月で4.5kg以上の体重減少
- 6~12ヶ月で体重の5%以上の減少
- 上記基準に該当しない範囲の体重減少に、以下の症状を伴う場合
異常な喉の渇き・飲水量の増加・排尿量の増加・頻尿・疲労感・視界のかすみ・食欲不振・頭痛・甲状腺の腫れ
